moratorium

うってつけの日々

いつだって、選びたいのは獣道。

季節と体感の時の流れが、ようやく重なり滑り出したかのよう。いつだって体感は追うばかりで、現実が先に進んでしまうから息が切れてしまうのかも。 「マイナスのことばかり言ってると、人が離れますよ」 と、ある人から忠告を受けた。そのあまりの言葉の正…

記憶の中で、生きていて。

瞬く間。 本当に瞬きをする間に季節が変わっていくような錯覚に囚われている。だってねえ、私ついこの前だったじゃない。ほんの隣に確かにいたじゃない、それなのに。だんだんとこの季節の巡り合わせにも慣れてきてしまっていて。ようやくというか、それでも…

震えた文字が意味した感情

滔々と流れる日々はとどめようもなく。 とどめるつもりもないのだけれどね。日記を読んだ。 世界が死んだ日の日記を。 あの頃震える手でようやく綴った文字。 潰れて息もままならなかった胸。 どうしようもなく零れた涙あと。 そういうものを懐かしく眺めら…

空に落ちたい、みたいな願望

新しい年がまたまた当然のようにやってきて。はてさて今年はどんな風になるのだろうかと、怖さと期待のせめぎあいのような感じがしている。 年末年始はいつも新鮮で、いつも新しい。そして、いつも同じルーティーン。空気が元旦に向けてどんどん澄んでいく感…

欲。善く。よく。

とてもとても欲張りなので、自分の持てる分よりもいつも多く見積もって、欲しがる癖がある。なんでもとりあえず欲しいし、持ちたい。基本的に自分がよく見えていないので、申告したものを取り込もうとすると、自分を苦しめることになる。もしくは害すること…

眠れずに、朝の5時になってしまった。 ふと、海が見たいと思ったので、そのまま電車に飛び乗って、海に出掛けた。薄く雲が立ち込めた空、海はひどく暗く見えた。私が来たかった海だと思った。そのまましばらく海を見ていた。砂浜は硬く、湿っていて、レジャ…

私の部屋の魔女

私の部屋には美しき同居人がいる。それはある有名な絵画の一部のレプリカなのだが、その眼差しに肢体に、一目惚れして連れ帰ってきた。同居人である彼女は、私のこうありたい憧れの具現でもあるように感じている。君の部屋にある絵、全く構図も何もかも違う…

とりとめないこと

ふいに、絶望に囚われてしまった。ほとんどひとつきぶりに、借りている部屋に帰ってきて、やっぱりこの部屋は陽当たりがよくて、本当に幸福な明るさと暖かさがある部屋だと思った。 久しぶりの一人だったから、時間をもてあましながら、ふらふらと散歩をして…

頑是ない

世界から弾き出されたような気になっている。自らそう願ったのにもかかわらず。外に出てきてしまったら、もう帰る場所などないのよ。と言った女がいたが、今になってようやく、ようやくその意味を理解できた。もう私には帰る場所などないのだ。帰ることはで…

月の光が作る影に

小さな決断を迫られる。現状何に対しても、自らの意思で決断をするということを恐れている。言いなりになっていた方が、楽に息をしていけるということに気づいてしまった。頑なに拒絶していたはずなのに。ここは静かで暗い。街灯などないから、月の光が地面…

逃げ水

気ままで気楽な午後を過ごした。人がたくさんいるところにいったのは久しぶりで、なんだか社会的なことをしているのが滑稽にも思えた。どんな人生を垣間見ても哀しみを感じてしまって、なんてことだと愕然としている。いつだって何処かに行きたくてたまらな…

花牢

実家に閉じこもっているのを正当化してくれるような長雨だと思った。 自分の弱さを反映されたような夢を見て、それが本当に私らしくて悲しい。きっとこうなってしまうだろう。ということを突き付けられる、予知夢? 気温とともに自分の熱も冷めていくような…

蕀とおせっかい

蕀の道を歩き続けている気分。 ずたずたに皮膚は引き裂かれ、裂傷だらけ。痛みに身がすくんで、脳が進むのを拒否してしまう。それでも、一握りの希望と、意地で1歩を踏み出してみたが、そこにあるのは絶壁。進めない。引き裂かれながら、道を戻るしかない、…

朝寝

好きな男に別れを告げた。ここ半年どうしても視界が拓けなくて、目の前10センチくらいの世界で生きていたら、自分をどん詰まりまで連れてきてしまいました。八方塞がり、四面楚歌、未来も現在も闇に呑まれてしまってもうどうしようもできなくなってしまった。…

渇き。今までに感じたことのない強烈な渇きだった。 夢の中で、氷水をもらってごくごく飲んだ。でも飲んでも飲んでも喉の渇きが癒えなくて、浮いている氷を邪魔に思いながら、どんどん水を注いでもらう夢だった。光と影が妙に濃くて、氷はプリズムに光を通し…

塵とハミング

誰と会う約束もしていない日々が続いている。 一人で過ごすことに、何の抵抗も違和感もなく、それを完全に自然のこととして生きていたころが、遠い夢物語のように感じてしまう、春。私の好きなことは、基本的に一人で完結できることで、むしろ人とともになさ…

つるかめ

身内に不幸があった。 その人は、とても身体が大きく控えめに言っても太っていた。いつもニコニコとしていて、とても声が大きかった。不良のような風体と恰好をしていて、親戚でなかったらたぶんとても怖かったと思う。お金持ちの御曹司で、でもまったく彼の…

温室の傲慢

ある出来事から、私はようやく人生を引き受けた。 それは、世間的にいうとただの失恋だったのだが、そこで私が得たものはおそらくただ恋を失っただけではない。私はその経験から、自分の人生をようやく引き受けることができた。 非常にぬるい温室で、人との…

さようなら

永遠にご無事で。 あのとき言ってあげたかった言葉。 もう永遠に会わないのだから。 寂しさだけがいつも新鮮で、なれることはないのね。 あいまいにずっと傷つくよりは、痛みに貫かれた世界のほうが、冴え冴えとして美しいこともあると知ったわ。 美しいもの…

贈り物

誰かのために贈り物を選ぶ。とても尊く、美しいことですね。それが何の利害関係を内包しないという前提の下でだけれど。今日は友人のクリスマスプレゼントを選びました。人に物を贈るという行為は、とても緊張感がある。私は全く自分に自信がないのです。お…

贅沢な孤独

基本的に私は一人が好きだ。気分に上下されるけれど、一人でいるのは快適。孤独なのは私の基本だからそれは別にいい。人の本質は孤独だと私は教えられた。幼いころに渡された言葉だったので、それはそれは私は傷ついた。でも今ならわかる。人はみんな天涯孤…

タイムトラベル

積み重ねてきた日々に慄く。 自分が想定してきたよりはるかに幼い私。年齢はただ怠惰に生きてきたその証でしかない。何もない、空っぽ。 よくもまあこんなにつまらなく成長したものだ。 自分の浅さに絶望している。近頃ずうっと。 何もなさずに生きるには人…

雪待ち

人となりも、姿も、何も知らないおじいさんのお話。 今日の朝、そこには雪が降ったらしい。うっすら2㎝ほど積もっている。 風が強く、冷たい。 今日の午後、すっかり晴れて雪は解けていったという。 もうすぐきっと東京に雪をもたらすだろう、そう言った。 …

はじまる

はじまることに何か意味はあるのだろうか。 何事も始まってからいつも後悔するような、どうしようもない生き物です。 どうか誰もが無事でありますように。