moratorium

うってつけの日々

2015-01-01から1年間の記事一覧

欲。善く。よく。

とてもとても欲張りなので、自分の持てる分よりもいつも多く見積もって、欲しがる癖がある。なんでもとりあえず欲しいし、持ちたい。基本的に自分がよく見えていないので、申告したものを取り込もうとすると、自分を苦しめることになる。もしくは害すること…

眠れずに、朝の5時になってしまった。 ふと、海が見たいと思ったので、そのまま電車に飛び乗って、海に出掛けた。薄く雲が立ち込めた空、海はひどく暗く見えた。私が来たかった海だと思った。そのまましばらく海を見ていた。砂浜は硬く、湿っていて、レジャ…

私の部屋の魔女

私の部屋には美しき同居人がいる。それはある有名な絵画の一部のレプリカなのだが、その眼差しに肢体に、一目惚れして連れ帰ってきた。同居人である彼女は、私のこうありたい憧れの具現でもあるように感じている。君の部屋にある絵、全く構図も何もかも違う…

とりとめないこと

ふいに、絶望に囚われてしまった。ほとんどひとつきぶりに、借りている部屋に帰ってきて、やっぱりこの部屋は陽当たりがよくて、本当に幸福な明るさと暖かさがある部屋だと思った。 久しぶりの一人だったから、時間をもてあましながら、ふらふらと散歩をして…

頑是ない

世界から弾き出されたような気になっている。自らそう願ったのにもかかわらず。外に出てきてしまったら、もう帰る場所などないのよ。と言った女がいたが、今になってようやく、ようやくその意味を理解できた。もう私には帰る場所などないのだ。帰ることはで…

月の光が作る影に

小さな決断を迫られる。現状何に対しても、自らの意思で決断をするということを恐れている。言いなりになっていた方が、楽に息をしていけるということに気づいてしまった。頑なに拒絶していたはずなのに。ここは静かで暗い。街灯などないから、月の光が地面…

逃げ水

気ままで気楽な午後を過ごした。人がたくさんいるところにいったのは久しぶりで、なんだか社会的なことをしているのが滑稽にも思えた。どんな人生を垣間見ても哀しみを感じてしまって、なんてことだと愕然としている。いつだって何処かに行きたくてたまらな…

花牢

実家に閉じこもっているのを正当化してくれるような長雨だと思った。 自分の弱さを反映されたような夢を見て、それが本当に私らしくて悲しい。きっとこうなってしまうだろう。ということを突き付けられる、予知夢? 気温とともに自分の熱も冷めていくような…

蕀とおせっかい

蕀の道を歩き続けている気分。 ずたずたに皮膚は引き裂かれ、裂傷だらけ。痛みに身がすくんで、脳が進むのを拒否してしまう。それでも、一握りの希望と、意地で1歩を踏み出してみたが、そこにあるのは絶壁。進めない。引き裂かれながら、道を戻るしかない、…

朝寝

好きな男に別れを告げた。ここ半年どうしても視界が拓けなくて、目の前10センチくらいの世界で生きていたら、自分をどん詰まりまで連れてきてしまいました。八方塞がり、四面楚歌、未来も現在も闇に呑まれてしまってもうどうしようもできなくなってしまった。…

渇き。今までに感じたことのない強烈な渇きだった。 夢の中で、氷水をもらってごくごく飲んだ。でも飲んでも飲んでも喉の渇きが癒えなくて、浮いている氷を邪魔に思いながら、どんどん水を注いでもらう夢だった。光と影が妙に濃くて、氷はプリズムに光を通し…

塵とハミング

誰と会う約束もしていない日々が続いている。 一人で過ごすことに、何の抵抗も違和感もなく、それを完全に自然のこととして生きていたころが、遠い夢物語のように感じてしまう、春。私の好きなことは、基本的に一人で完結できることで、むしろ人とともになさ…

つるかめ

身内に不幸があった。 その人は、とても身体が大きく控えめに言っても太っていた。いつもニコニコとしていて、とても声が大きかった。不良のような風体と恰好をしていて、親戚でなかったらたぶんとても怖かったと思う。お金持ちの御曹司で、でもまったく彼の…