moratorium

うってつけの日々

私の部屋の魔女

私の部屋には美しき同居人がいる。

それはある有名な絵画の一部のレプリカなのだが、その眼差しに肢体に、一目惚れして連れ帰ってきた。同居人である彼女は、私のこうありたい憧れの具現でもあるように感じている。

君の部屋にある絵、全く構図も何もかも違うけれど、魔女の宅急便に出てくる画家の女の子がキキをイメージして描いた絵を思い出すんだ。だから君のイメージは何て言うか、キキって感じ。今迷いの中にいても絶望にいても、大丈夫だよ。、、、

男はそういって私を慰めた。魔女の宅急便は好きな映画で、上京してきた自分に重ね合わせた部分もあったので、そう言われたのは嬉かった。何より、そういう感性が男にあったのが、嬉しかった。

と、同時に、
いったいそれを誰と見たの?
という疑念に苛まれている。

卑しい、醜い、寂しい。自覚している。でも、綺麗な気持ちでもう、人を信じることができない。

私以外の誰と、それを、みたの?