moratorium

うってつけの日々

2014-01-01から1年間の記事一覧

温室の傲慢

ある出来事から、私はようやく人生を引き受けた。 それは、世間的にいうとただの失恋だったのだが、そこで私が得たものはおそらくただ恋を失っただけではない。私はその経験から、自分の人生をようやく引き受けることができた。 非常にぬるい温室で、人との…

さようなら

永遠にご無事で。 あのとき言ってあげたかった言葉。 もう永遠に会わないのだから。 寂しさだけがいつも新鮮で、なれることはないのね。 あいまいにずっと傷つくよりは、痛みに貫かれた世界のほうが、冴え冴えとして美しいこともあると知ったわ。 美しいもの…

贈り物

誰かのために贈り物を選ぶ。とても尊く、美しいことですね。それが何の利害関係を内包しないという前提の下でだけれど。今日は友人のクリスマスプレゼントを選びました。人に物を贈るという行為は、とても緊張感がある。私は全く自分に自信がないのです。お…

贅沢な孤独

基本的に私は一人が好きだ。気分に上下されるけれど、一人でいるのは快適。孤独なのは私の基本だからそれは別にいい。人の本質は孤独だと私は教えられた。幼いころに渡された言葉だったので、それはそれは私は傷ついた。でも今ならわかる。人はみんな天涯孤…

タイムトラベル

積み重ねてきた日々に慄く。 自分が想定してきたよりはるかに幼い私。年齢はただ怠惰に生きてきたその証でしかない。何もない、空っぽ。 よくもまあこんなにつまらなく成長したものだ。 自分の浅さに絶望している。近頃ずうっと。 何もなさずに生きるには人…

雪待ち

人となりも、姿も、何も知らないおじいさんのお話。 今日の朝、そこには雪が降ったらしい。うっすら2㎝ほど積もっている。 風が強く、冷たい。 今日の午後、すっかり晴れて雪は解けていったという。 もうすぐきっと東京に雪をもたらすだろう、そう言った。 …

はじまる

はじまることに何か意味はあるのだろうか。 何事も始まってからいつも後悔するような、どうしようもない生き物です。 どうか誰もが無事でありますように。