moratorium

うってつけの日々

記憶の中で、生きていて。

瞬く間。

本当に瞬きをする間に季節が変わっていくような錯覚に囚われている。だってねえ、私ついこの前だったじゃない。ほんの隣に確かにいたじゃない、それなのに。だんだんとこの季節の巡り合わせにも慣れてきてしまっていて。ようやくというか、それでも慣れてしまったのは悲しく思えてしまう。だって、こうして終えていくような気がしているから、世界が新しかったころには戻れないから。ようようわからないけれど、とにかく何かが悲しい、そんな気持ちがしている事実。

 

追憶。

この頃とても会いたくなってしまうのは、私の元から去った人々。もう人生が交差することはないから、記憶の中でしか会うことはない。記憶は甘やか。だって私を傷つけないもの。どのようにだって改竄できるもの。だから私と彼らの逢瀬は甘い。いつだって切なくなるほどの幸せの中で会える。不健康で不健全だからこそ、いい。やあやあ、私はとても幸せだ。もう二度と会えない彼らへ。