moratorium

うってつけの日々

とりとめないこと

ふいに、絶望に囚われてしまった。

ほとんどひとつきぶりに、借りている部屋に帰ってきて、やっぱりこの部屋は陽当たりがよくて、本当に幸福な明るさと暖かさがある部屋だと思った。
久しぶりの一人だったから、時間をもてあましながら、ふらふらと散歩をしてみた。

その帰り道。
車のランプが煌々としていて、私は歩道橋に一人で、風が強い。すれ違う人々は何処かへ帰っていく。髪が風にばらばらと吹かれて、同時に、足元も掬われた。
ひとりだとおもった。
唐突に、強烈に、ひとりだと思った。

久しぶりに絶望がやってきて、どうやってやり過ごしていたのか全く分からない。

一人できちんと生きていきたいと切に切に願っているのに、その強さが依存を強めるようだ。
心もとない。一人で生まれてきたのに、どうしてこんなに弱いのだろう。

頑是ない

世界から弾き出されたような気になっている。自らそう願ったのにもかかわらず。

外に出てきてしまったら、もう帰る場所などないのよ。と言った女がいたが、今になってようやく、ようやくその意味を理解できた。もう私には帰る場所などないのだ。帰ることはできないのだ。

無為に過ごす毎日は、気楽でただただ悲しい。
なにもしていないということが、そのうち私を殺すのかもしれない。

月の光が作る影に

小さな決断を迫られる。現状何に対しても、自らの意思で決断をするということを恐れている。言いなりになっていた方が、楽に息をしていけるということに気づいてしまった。頑なに拒絶していたはずなのに。

ここは静かで暗い。街灯などないから、月の光が地面に影を作る。こういうものを知っていることで少し強くなれたらと願う。

明日、小さな決断をする。

逃げ水

気ままで気楽な午後を過ごした。人がたくさんいるところにいったのは久しぶりで、なんだか社会的なことをしているのが滑稽にも思えた。

どんな人生を垣間見ても哀しみを感じてしまって、なんてことだと愕然としている。

いつだって何処かに行きたくてたまらないのに、いきたい場所はないのだ。

花牢

実家に閉じこもっているのを正当化してくれるような長雨だと思った。

 

自分の弱さを反映されたような夢を見て、それが本当に私らしくて悲しい。きっとこうなってしまうだろう。ということを突き付けられる、予知夢?

気温とともに自分の熱も冷めていくような気がしている。十分考えたはずだ。もう十分時間は使ったはず。時がたつほどに、動けなくなっていく。このまま朽ちてしまえればある程度の体裁は整うのに、そうはいかないのが歯がゆい。生きるべき人が儚くなり、こうして朽ちるのを待っている私はその気配すらない。悲しみに満ちている。

 

毎夜、お湯の熱さに自分の身体の冷たさを知り、

毎夜、お湯の柔らかさに今日も生き延びた尊さに涙が落ちる。

涙が落ちる。

蕀とおせっかい

蕀の道を歩き続けている気分。
ずたずたに皮膚は引き裂かれ、裂傷だらけ。痛みに身がすくんで、脳が進むのを拒否してしまう。それでも、一握りの希望と、意地で1歩を踏み出してみたが、そこにあるのは絶壁。進めない。引き裂かれながら、道を戻るしかない、そして別の道を探さなくては。肌は裂け、傷口は腐りかけている。そんな状態で、ふと思う。

私はいったい何を目指して、蕀の道を歩いていたのか。別の道を行って、私は何を得たかったのか。

満身創痍、支えてきた意志が揺らぐ。もうこれ以上はどこにもいけないね。そこから動けない。だってどうしたらいいのか分からないものね。

蕀のなかに取り残されて、絶望に似たものを抱えて私は座り込んでいる。わりと長く。
一瞬ね、あなたが必要だと、引き上げてくれた人がいたの。様々な優しい言葉をくれて。
でも嘘だった。酷いことをされた。ここにいたらもっと恐ろしいことになると確信している。
だから逃げ出した。そして、ほかに行くところも分からなかったから、私は蕀のなかに戻った。新たに深い傷を負いながら。

蕀の道の先に、眠れる森の美女でもいればいいのに。お城の魔法もそうしたら解ける。お姫様も目を覚ます。ハッピーエンド??とにかくその場はハッピー?でももしかしたら、お姫様は目を覚ましたくないかも。夢のなかで恋人をつくって、そちらで幸せに力強くいきているかも。
そうしたら面白いけど。だからやっぱり私はお城を目指して蕀の道を歩き続けなければならない。もう辟易としてきているのだけどね。

そんなこんなな状態が続いています。
どうしたらいいんだろう。
呪いのように吐き続けている。
傷付いているんだ。癒せるところに行きたい。
相変わらずベッドに臥して、そうして毎日を無為に過ごしてる。傷はどんどん腐っていくようだ。痛い以前に自分が傷になっていっている、そーゆー感じ。

朝寝

好きな男に別れを告げた。

ここ半年どうしても視界が拓けなくて、目の前10センチくらいの世界で生きていたら、自分をどん詰まりまで連れてきてしまいました。八方塞がり、四面楚歌、未来も現在も闇に呑まれてしまってもうどうしようもできなくなってしまった。
なのでとりあえず、逃避。それも一人では出来なくて、友人が息が出来るところまで連れて帰ってきてくれました。社会人なのに、親に会社に連絡をさせ、もうずっと仕事を休んでいる、逃げ続けている。立ち向かえないし、もう、ベッドに臥しているそれしかできない。

そして、ずっと胸に大きく巣食っていた不安の種を取り除きました。好きな男でしたが、とてもとても幸せではなかった。私なりの筋として、会って話したかった。とりあえず話したかったけれど、私の苦しみ耐性はそんなに強くないので、もうメールで済ませることにした。
貴方は好きですが、疲れました。
そう送って、そして、終わり。なんて呆気ないんでしょう。涙が出るわ。私がかわいそうで。

仕事も男も体から切り離して、少し軽くなれたかしら?ここからとりあえず動けるくらいには、大丈夫になれるといいな。
こんなどん底でも、生きていかなくてはならないなんて。生きているだなんて。

誰か私をさらってくれないか。